第412話
第396話:邪馬台国でも水害発生!! で書いたように八岐大蛇(ヤマタノオロチ)とは河川の氾濫による水害ことです。私が邪馬台国とする守口、寝屋川、枚方では古代から何回も水害の被害にあっています。
邪馬台国の時代、河内平野には、草香江(河内湖)と呼ばれる広大な湖・湿地帯が横たわっており、北東からは淀川の分流が、南からは平野川(現代の大和川)が草香江に乱流しながら流入していました。上町台地の北からは大きな砂州が伸びており、この砂州が草香江の排水を妨げていたため、淀川分流や平野川からの流入量が増えると、容易に洪水や高潮などの水害が発生するのでするのです。
そこで、草香江に流入する淀川分流の流路安定を目的として、堤防を築造することになりました。堤防は、当時の淀川分流の流路に沿って20km超にわたって築かれ、この辺りまでを茨田(まんだ・まむた)といったので、「茨田堤」と呼ばれるようになった。茨田堤の痕跡は、河内平野北部を流れる古川沿いに現存しています。
このような長大な堤防を築くには、高度な築造技術を要したはずであり、かなりの困難も伴っただろうと考えらます。日本書紀の仁徳天皇11年10月の項には、「どうしても決壊してしまう場所が2か所あり、工事が難渋した。」それが、コワクビの断間(大阪市旭区千林)と、コロモコの断間(寝屋川市太間)です。参照:第202話:茨田堤
「コロモコの断間」と比定されている太間は、大阪府寝屋川市(〒572-0078)で、スサノオ(素戔嗚)がいたと思われる八雲(守口市〒 570-0021)の近くです。また、近くには熱田神社(〒572-0843 大阪府寝屋川市太秦:うずまさ)もあります。
ウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)が守口市の出雲にいたのは、茨田堤を築くためだったと思います。茨田堤を築いたのは、彦八井耳命(=八井耳)とされていますが、八井耳は多氏の祖です。多氏は海神族(ワタツミ一族)=海部氏=安曇族と同族です。
彦八井耳命=ウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)です。
近くに熱田神社があるのも見逃せません。東征に向かうヤマトタケルに託された剣が草薙剣(天叢雲剣)です。ヤマトタケルの死後、草薙剣は尾張国で祀られたされ、これが尾張・名古屋のご神体です。草薙剣は、スサノオが出雲で八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した時に、大蛇の体内(尾)から見つかった神剣です。この出雲が大阪府守口市であるなら、大阪府寝屋川市太秦に熱田神社があるのも、その地が太秦であるのも納得です。
参照:尾張氏と草薙剣
河内国太秦には弥生中期頃の高地性集落(太秦遺跡)が確認されており、付近の古墳群からは渡来人関係の遺物が出土しています(太秦古墳群)。秦氏が現在の淀川の治水工事として茨田堤を築堤する際に協力したとされ、現在の熱田神社(大阪府寝屋川市)が広隆寺に記録が残る河内秦寺(廃寺)の跡だったとした調査結果があります。
茨田堤の築造と同時に堀江の開削という事業も実施されており、この両者は、日本最初の大規模な土木事業だったとされています。堀江の開削は、崇神天皇の業績とされていますが、私は崇神天皇は魏志倭人伝のいうところのトヨ”とよ(乎止与命・台与・臺與)”ではないかと思い始めています。
トヨ(=倭迹迹日百襲姫命)は、「知能の優れたお方といわれ、土地の人に弥生米をあたえて、米作り又水路を開き、雨祈で、雨を降らせ、文化の興隆をなされた御人といわれる。」とあります。倭迹迹日百襲姫命(ヤマトトモモソ姫)はトヨ??
日照に苦しむ人々のために雨を降らせ、水源を教え、水路を開き米作りを助けたとは、これがスサノオの八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治です。トヨはスサノオ(津田の王)が手掛けた事業を引きつぎ、茨田堤と堀江を完成させたのです。
関連項目:聖徳太子伝説~堀江と茨田堤
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
※これまでの記事はこちらです。
<目次>
八雲、太間、熱田神社の位置関係
<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天