うず彦（椎根津彦） ～浦島太郎

第８４話

椎根津彦（しいねつひこ、日本書紀）、槁根津日子（さおねつひこ、古事記）

丹後半島の籠神社には椎根津彦が祀られています。別名・珍彦（うづひこ）。

椎根津彦は、神武東征の途次、明石海峡（速吸門）に亀に乗って現れ、神武天皇を先導して浪速、河内、大和へと進み、幾多の献策に依り大和建国の第一の功労者として、神武天皇から倭宿禰（やまとすくね）の称号を貰っています。籠神社の境内には亀の背に乗った倭宿禰の像があります。

椎根津彦は、神武天皇が東征において速吸門で船路の先導者です。このとき、日本書紀では曲浦（わだのうら）で魚釣するところを椎の棹を授けて御船に引き入れて名を珍彦（うづひこ）から椎根津彦に改めさせたとあり、古事記では亀の甲羅の上に乗っていたのを棹をさし渡し御船に引き入れて槁根津日子の名を賜ったといいます。

前回、宇陀市榛原で兄磯城（えしき）を挟み撃ちにより破ったされているのはこの人です。

吉井良隆氏（前西宮神社宮司）が指摘されて通り椎根津彦命は大阪湾北側を支配する海部の首長であった思われます。

椎根津彦の別名は珍彦（うづひこ）です。渦潮（うずしお）が見られる世界最大の大きさを誇るうずしおを体感しに行く明石海峡のうずしおクルーズに、私も乗ったことがあります。

これが速吸門（明石海峡）です。珍彦（うずひこ）の名前はここからきていると思ってもよさそうです。速吸門については諸説あり、日本書紀では豊予海峡を指すと考えられており、大分県大分市佐賀関には、椎根津彦を祀る椎根津彦神社がありますが、これは後の応神天皇の時代の後付けです。

また、椎根津彦命を祭神とする神社には、兵庫県神戸市東灘区本山町の保久良神社がある。神社由緒書によると神武東征時速吸之門（明石海峡）に現れて軍勢を先導したと書いてあります。

椎根津彦命はなぜか亀がつきまとっていて、保久良神社の南に位置する神戸市東灘区の青木（おうぎ）の浜に青亀（おうぎ）の背にのってこの浜に漂着したという伝承があり、それが青木（おうぎ）の地名の由来とのことです。これらのことより浦島太郎が亀を助けた話になっていったのでしょう。椎根津彦命に助けられたのは、磐余彦＝孝元天皇＝饒速日です。

兄磯城破った弟磯城は磯城県主を任じられます。古代史研究者の宝賀寿男や村島秀次によると、弟磯城（おとしき、黒速）は天日方奇日方命と同一人物だそうです。天日方奇日方命は鴨王ともいわれカモ族のトップです。事代主の子であるともされています。

弟磯城が、事代主の子供だったというのには、賛成できませんが、弟磯城の別名：黒速は、明石海峡の渦潮を連想させます。つまり、弟磯城＝椎根津彦命＝天日方奇日方命＝事代主？ということでしょう。

＜後記＞2023.9.14

前回、八咫烏に説得（調略）された後、弟磯城は八咫烏を接待しています。

「臣（やつこ）、天圧神（あめおすのかみ）至（いた）りますと聞きて、旦（あした）夕（ゆふべ）に畏（お）ぢ懼（かしこ）まる。善きかな、烏。汝（い）が若此（かく）鳴く」 （手前は天神が来られたと聞いて、朝夕畏れかしこまっていました。烏よ、お前がこんなに鳴くのは良いことだ）訳：宇治谷孟

そして葉盤（ひらで＝柏の葉を竹釘のようなもので刺して、盤のようにした器）8枚を作り、食物を盛って饗応した。

ということは、弟磯城は事代主ではないということです。

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関連項目：塩土老翁～浦島太郎２ (hidemaru3375.com)

　　　　：桜井茶臼山古墳と椿井大塚山古墳 (hidemaru3375.com)

　　　　：鴨王～瀬戸内海 (hidemaru3375.com)

　　　　：鴨王は、内色許男命 (hidemaru3375.com)

※このプログは、御牧国（ミマキ国）が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。　

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