真舌媛は、宗像三女神！　～三島（茨木市）

更新日：5月23日

第３６話

十市御縣坐神社（とおちのみあがたにますじんじゃ）は、奈良県橿原市にある神社です。

主祭神は豊受大神、配祀は市杵島姫命

社伝では『孝霊天皇記』に見える十市県主の祖の大目を祭神とする。十市県主五十坂彦の娘である五十坂媛は孝安天皇の皇后である。また、大目の娘である細媛命は孝霊天皇皇后であると書かれています。

皇后：細媛命（くわしひめのみこと/ほそひめのみこと、細比売命）は日本書紀の本文、古事記では、十市県主大目の娘。※大目は大日の誤りです。菊理媛神～大目は大日（守口市）

十市県主祖の真舌媛と書かれています。

配祀は市杵島姫命ということは、真下姫＝市杵島姫命であると推測されます。

市杵島姫命と言えば宗像三女真の一人です。

沖津宮の「田心姫神（タゴリヒメ）」

中津宮の「湍津姫神（タギツヒメ）」

辺津宮の「市杵島姫神（イチキシマヒメ）」

『古事記』では、化生した順に以下の三神としている。

沖ノ島の沖津宮 - 多紀理毘売命（たぎりひめ）別名奥津島比売命（おきつしまひめ）

大島の中津宮 - 市寸島比売命（いちきしまひめ）別名狭依毘売（さよりびめ）　

田島の辺津宮（へつみや） - 多岐都比売命（たぎつひめ）

あらゆる「道」の最高神として航海の安全や交通安全などを祈願する神様として崇敬を集めています。この宗像三女真は九州の神様と思われていますが、実は三島（大阪府茨木市）の出身です。交通安全の神ということで、各地で祀られるようになり、日本から大陸及び古代朝鮮半島への海上交通の平安を守護する神として九州の宗像神社が一番大切にしたということです。

三島には、「味舌」というところがあります。現在の大阪府摂津市の地名。味舌町 -三島郡に属した町。事代主神後裔氏族（カモ族：三島の溝杭）に関わる地名であり、味舌の北東4.3kmに、溝咋神社が所在することから、一帯が、事代主神を属性とする水運の要衝であったことがわかります。『紀』孝霊紀２年２月条に、后について、「一に云はく、十市県主等が祖が女真舌媛といふ」とみえる、真舌媛は、当地に関わると推測されます。という記事を前に書きました。

カモ族は、水運を司る一族です。玉櫛姫は三島の溝杭の娘ですが、三穂津姫ともされています。保津川の水運を守る女神です。同じように、真舌媛も河内湖から奈良盆地湖：三島から孝霊天皇のある黒田宮への水運の安全を祈る女神になり、日本から大陸及び古代朝鮮半島への海上交通の平安を守護する神になったと思われます。三穂津姫を宗像三女神の多紀理毘売命とする研究者もいます。（中矢伸一：日本古代史の秘密）

日本書紀第三の一書では多紀理毘売を市杵嶋姫（市寸島比売・いちきしまひめ）の別名としています。

また余談ですが、三穂津姫は御穂津彦命、御穂津姫命という表記もありミ・ホツ姫なのですが、例によって俗手でミホ・ツ姫と読むことができるため。出雲の美保神社（島根県松江市）、「羽衣の松」と縁が深い三保の松原（静岡市清水区）でも祀られています。