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蝸牛考~大歳は大物主

更新日:5月7日

第260話


蝸牛考とは方言の研究のことです。カタツムリ(蝸牛)を京都以外の地方では何と呼ぶかを調べたものです。カタツムリの名称に限らず、一般に方言というものは時代に応じて京都で使われていた語形が地方に向かって同心円状に伝播していった結果として形成されたものなのではないか」とする方言周囲圏論です。この考えは、「古語は方言に残る」という考えとも合致することから、方言形成の過程を過程を解釈する際の説明原理として広く受け入れられたています。


例えば沖縄でよく聞く「メンソーレ」は京都で使われていた「ごめんそーらえ:御免候え」

「めんそーらえ」です。私は薬学部卒なのでこの理論はよくわかります。ペーパークラマトです。資料に長い紙をつけると資料の中の様々な成分が分離し、紙の端に目的の成分が抽出できるのです。今時、ペーパークロマトグラフィーなどやってませんが、、、


今回、なんでこんなことを書くかというと大物主は大歳とする神社があったのです。私はすでに大物主=長脛彦という結論を出しています。とすると大物主=饒速日=長脛彦になってしまいます。その神社は、福井県小浜市加茂の弥和神社(みわ)です。祭神は大歳彦明神です。弥和神社(みわ)はミワ=三輪=大神神社で、ミワとは大物主のことです。ですからこの神社では大物主を大歳として祭っているのです。


以前、貴船神社の祭神が石長比売(磐長姫)であることをのべました。石長比売は美人だった!~貴船神社

貴船神社では水にまつわる神・高神(たかおかみのかみ)とか罔象女命とかになっている貴船神社もありますが、石長比売(磐長姫)が本来の祭神だったはずです。

貴船神社は鴨川の最上流に位置しいわば僻地にあることから、そのまま祭神として残ったのでしょう。ここでペーパークラマトの原理、蝸牛考がみられるのです。都の中心から遠い神社にこそ真実が残る可能性があるのです。


大物主=饒速日=長脛彦となればこのプログで積み重ねてきたことが一気に崩れてしまいます。しかし、三毛入野(ミケイリノ)のミケは御食(ミケ)に通じます。

前号では、大歳は稲作の神と書きました。


古代の神様の名前についている「うか」「うけ」「け」という、食べ物を意味します。三毛入野=饒速日=大歳=大物主が同一人物であるということは十分に可能性があるのです。


もちろん小浜市加茂の弥和神社を勧進した人が勘違いした可能性もあります。実際、大物主を大国主としている祭っている神社もあります。小浜市加茂という地名も気になります。

加茂は鴨(かも)ですから、賀茂一族と関係のある土地なのでしょう。


奈良県以外にあるミワ神社の祭神をしらべてみると、

栃木市総社市(惣社町)にある大神神社  倭大物主櫛𤭖玉命→饒速日? ?

岐阜県養老郡養老郡上石津村の大神神社  大物主櫛𤭖玉命→饒速日?

徳島県名東郡国府町の大御和(みわ)神社 大己貴神=大国主

群馬県桐生市の美和(みわ)神社 建速須佐之男命=スサノオ


石切神社(東大阪市)の祭神饒速日の正式名称は天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊です。

饒速日に櫛玉がつくと大物主になるようです。大物主=饒速日としても良いでしょう。


しかし、三毛入野が饒速日=ウツシコオというのは、かなり魅力的です。

今までこのプログで書いてきたことを新たな視点で見直す必要が出てきました。


関連項目:大物主は長脛彦


※このプログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

 今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。 

※これまでの記事はこちらです。





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2 Comments

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秀丸 遠嶽
秀丸 遠嶽
Mar 15
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彌和神社の言い伝え「さいの神」神籬だけの神社の謎【小浜市】

それは、大神神社の祭神が配神の大国主命少彦名命を合わせて三柱であることとも符合しています。(ただ、各磐座にこれらの神格を当てたのは、割合新しいことなのではないかと思いますが。)

大歳彦明神とは・・・?


そう、この神も大物主神、いわゆる大国主神なのです。


彌和神社 みわじんじゃ (fc2.com)

社名が〝みわ〟なので、奈良県の大神神社の関係かと思いきや、祭神は、伴信友の『若狭國官社私考』という書物によると、三輪大歳彦明神らしい(神一行著・『消された大王ニギハヤヒ』より)。だったら奈良の大神神社とは無関係なのか?と思ったら、『若狭國官社私考』には、「大和の大三輪神をここに祀れるなるべし」とも書かれているらしい。三輪なら大物主神のはず。農耕神である大歳とは何の関係も無いと思うが、どうゆうこっちゃ?

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秀丸 遠嶽
秀丸 遠嶽
Mar 15
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