第127話
記紀によれば、百済王が馬2匹を阿知吉師(あちのおみ)につけて貢上したとあります。
日本書紀では、応神天皇15年のこととされています。阿知吉師は、みずから大和の軽の坂(注:下記)で飼養したそうです。良馬の貢上は、仁徳56年頃に朝廷が百済の要請に応じて、最初の朝鮮大出兵を行なったことへの返礼という説もありますが、BC何年の出来事なのかは分かりません。
阿知吉師の吉師は一種の尊称であり、阿知は阿直岐(あちき)の略称とみなせることから、阿直岐と同時代の人物の阿知使主を同一人とする説もあります。
阿知使主は、日本書紀によると、応神天皇37年に呉国に遣わされ、四人の縫製女工を連れて41年に帰国した。古事記のでは阿知直と記され、後に「蔵官」に任じられたとされています。
琵琶湖の東岸に阿自岐神社があります。〒529-1171滋賀県犬上郡豊郷町安食西
主祭神は、味耜高彦根神です。他に、天児屋根命、須佐之男命、天照大神 、大物主神
応神天皇、宇迦之御魂神(=饒速日の妹)、大己貴命、猿田彦神、埴山姫神(ハニヤス姫)
※大己貴命(オオナムチ=大穴持ち=大彦) 大彦
※宇迦之御魂神は饒速日の妹で伏見稲荷大社の主祭神 邪馬台国前史Ⅴ~伏見稲荷
※ハニヤス姫は孝元天皇(=饒速日)の妃の一人。アタ姫~タケハニヤスの乱最終章
味耜高彦根神(アジスキ・タカヒコネ)は、八咫烏、事代主、武角身命(賀茂建角身)のことと思われ、古事記では大国主神と神屋楯比売命の子、日本書紀、先代旧事本紀では大国主神と高津姫神との子とされています。高津姫 ~岩船街道
馬は、今でいう時期主力戦闘機(FX)ともいうべき最新兵器です。倭国の軍は新羅との戦いで新羅騎馬兵に散々に打ち負かされていました。また呉服(くれはとり)は、魏に使節と赴く際に蛮人の国と思わないようには不可欠なものだ、とやっと大和朝廷で気づいたからだと思われます。
古事記では、百済から馬が送られてきた記事と並んで、鍛冶工と服造りの者が送られたとも書かれています。「又手人韓鍛、名は卓素、又呉服の西素二人を貢上りき」
もしこれらの出来事がBC230年代のことだとしたら、卑弥呼は健在です。
卑弥呼は萬幡豊秋津師比売命です。「萬幡」は「多くの布帛」、「豊」は「多く」、「秋津」は「蜻蛉の羽のように薄い上質なもの」、「師」は「技師」(織女)と考えられます。「多くの布帛で、多くの蜻蛉の羽のように薄い上質なものを作る織女」と考えられます。
卑弥呼は大の装束好きなのです。卑弥呼は萬幡豊秋津師比売命!!
馬を欲しがったのはウツシコオ(タカミムスビ=高木神)で、呉服を欲しがったのはウツシコメ(卑弥呼=天照大神)だったのではないでしょうか。
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※注 大和の軽の「坂」
この記事は開化朝でのこととすれば、大和(邪馬台国)はまだ奈良盆地には移住していなかった筈です。枚方市牧野(マキノ)には「坂」573-1146という地名があります。牧野というのも馬を飼ったことから牧場のマキというのではないでしょうか。
古代の朝廷の直轄牧場。古代、山城国の久世郡と綴喜郡にかけて、木津川の両岸にあった皇室の牧場。古くはその地一帯を美豆野といって、馬寮の御牧で、馬の放飼いや鷹狩が行なわれていた。のち北東岸が御牧村、南西岸が美豆村となる。現在の京都市伏見区の南西部から京都府久世郡久御山町の北西部の一帯。「御牧(みまき)」として、天皇に献上する馬を飼育していました。
聖武(しょうむ)天皇の御代(七二四~七四九)、天皇から橘諸兄公に詔勅があって、御牧(みまき)の馬を召しださせ給うた。橘諸兄公は勅を奉じて、この御牧の地より一頭の名馬を求めて、天皇に献上した。天皇は馬を叡覧されて、「誠に希代の名馬である。」と感激され、橘諸兄公の忠誠を讃えて、左大臣橘諸兄として最高の貴族に列せられた。
和名抄に、「野〈曠野附〉 四声字苑に云はく、野〈以者反、字は亦、墅に作る。和名は能の〉は郊牧の外地なりといふ。日本紀私記に曠野〈阿良能良あらのら〉と云ふ。」とあり、馬の飼育場、「牧むまき」の周縁地で、狩りが行われたところである。その野に一面に草が枯れ広がっていると、それはすべて干し草、馬の飼葉に利用できる。ふつう、干し草は刈り取った草を乾燥させて利用する。そして飼葉桶に入れて馬に与える。野が一面に枯れている情景は、飼葉桶に入れるような干し草がたくさんできあがっている状態ということになる。それほど食べれば馬はよく育ち、「疾行如レ馳」と呼ぶに値して速く走ることであろう。古代の高速陸上交通手段はとりもなおさず馬であった。そして、飼葉桶は「槽ふね」である。フネとは、船の形をしたもののことである。
※これまでの記事はこちらです。
※このプログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。
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