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鬼道はサイエンス  ~古代天皇は技術者&ビジネスマン

更新日:5月4日

第73話


「わたしは今、八十平瓮(ヤソノヒラカ)で水無しに飴(タガネ=アメ)を作ろう。飴が出来たならば、私は必ず武力を使わずに天下を平定できるだろ

それで飴を作りました。飴が自然と出来ました。


また誓約をしました。

「わたしは今、嚴瓮(イツヘ)を丹生之川(ニウノカワ)に沈めよう。もし魚の大小にかかわらず、マキ(=植物名)の葉っぱが流れるように酔っぱらって浮かび上がって流れたら、私は必ずこの国を治めるだろう。」


すぐに瓮(ヘ)を川に沈めました。その瓶の口が下に向きました。

しばらくして、魚が皆浮かび上がり、水面に口を出してパクパクしました。


飴(たがね)というのは、水銀でしょう。神武天皇はが、上記の事を言った場所は、宇陀の高倉山(城山)で例の宇梶(ウカジ)兄弟、エウカシ、オトカシと戦った場所です。かつてこの辺りに鉱山がありました。ウカジ兄弟との戦いも鉱山の権利を巡る争いでした。


「足尾鉱毒事件」で知られるように、鉱山では、製錬による廃棄物を流し、流れ下った流域の平地に流れ込み、水質・土壌汚染をもたらし、広範囲な環境汚染(公害)を引き起こします。さすがに当時はそんな大規模な公害は起こらなかったと思いますが、神武天皇にはこれらの知識があったのです。


当時の天皇家は、みんな大穴持ちです。すなわち鉱山の経営者でした。そしてまた、銅鏡、銅鐸、銅剣の製造業者でもありました。青銅は、合金です。その他の鉱物、朱、水銀、ベンガラ、錫、など様々の知識、技術を持っていました。言い換えれば化学者でもありました。


科学の知識があるのなら生成された水銀が液体であることを知っています。

辰砂(しんしゃ)は硫化水銀からなる鉱物です。日本では古来「丹(に)」と呼ばれました。別名に賢者の石、赤色硫化水銀、丹砂、朱砂などともいわれています。辰砂は赤色(朱)の原料であり、防腐剤や防虫剤として利用され、また加熱して硫黄を分離すれば水銀を抽出することができます。水銀は不老不死の薬とされ(実際は水銀中毒で死にますが)、また金メッキする時の触媒の役割としても使えます。また水銀は金メッキの媒体としても使われていて、水銀アマルガム鍍金という、金を溶かして熱で水銀を蒸発させる方法で、奈良の大仏には水銀が2トン使われたそうです。


「水を使わないで飴を作ることができるか?」神武は兵たちに訪ねます。

そしてまた問います。「土器を川に沈めると魚が酔って水に浮かび葉のように流れるのはなぜか?」


 科学の知識がなかったらこれは、手品に見えたでしょう。目をキョトンさせて、恐れおののく物もいたでしょう。それが鬼道だったというわけです。


卑弥呼(萬幡豊秋津師比売命:孝元天皇の妃)の鬼道は、鉱山(穴門、穴戸)の労働者に合金の作り方を説明、つまり科学(化学)の講義だったのです。卑弥呼は、ウツシコオの姉です。天才ウツシコオと同等に頭が良く、語学、海外情報、鉱物、合金などの様々な知識を持っていたと思います。


私は必ず武力を使わずに天下を平定できるだろう。これはビジネスマンの言葉です。鉱山経営で当時の天皇は、各地の豪族との取引、対外貿易でかなり稼いでいました。



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天皇又因祈之曰「吾今當以八十平瓮、無水造飴。飴成、則吾必不假鋒刃之威、坐平天下。」乃造飴、飴自成。又祈之曰「吾今當以嚴瓮、沈于生之川。如魚無大小悉醉而流、譬猶柀葉之浮流者柀、此云磨紀、吾必能定此国。如其不爾、終無所成。」(日本書紀)


※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

・ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。

・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。 

※これまでの記事はこちらです。



<邪馬台国の新常識>

<河川は古代の高速道路>

<欠史八代の天皇の正体>


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tootake
Oct 13, 2023
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