鬼の正体

更新日：8月26日

第４２１話～鬼はウツシコオ　＃鬼

高千穂神社（宮崎県西臼杵郡高千穂町）には、鬼退治の伝説が残っています。鬼の名は鬼八（きはち）で人々を苦しめていました。その鬼八を退治したのが三毛入野だというのです。

また阿蘇大明神（熊本県阿蘇市一の宮町宮地）にも鬼退治の伝説があります。こちらの鬼は鬼八法師でもとは健磐龍命（たけいわたつのみこと）の家来です。三毛入野も健磐龍命も同一人物で、ウツシコオ（内色許男命）＝スサノオ（津田の王）です。参照：神八井耳命は三毛入野　神武西征～健磐龍命

ところで邪馬台国の時代には、鬼は存在しません。ここでいう鬼とは、いわゆる虎のパンツをはいた角のある鬼のことです。この虎のパンツの鬼は奈良にある奈良県奈良市にある元興寺が起源です。その昔、元興寺の鐘楼に悪霊の変化である鬼が出て、都の人たちを随分こわがらせたことがあります。その頃、尾張国から雷の申し子である大力の童子が入寺し、この鬼の毛髪をはぎとって退治したという有名な説話があります。この話から、邪悪な鬼を退治する雷を神格化して、八雷神とか元興神と称することになり、鬼のような姿で表現するようになりました。元興寺にまつわる鬼のことをガゴゼとかガゴジとかガンゴなどの発音で呼ばれ、日本全国にも伝わっているようです。そして鬼の角は牛の角で、シマシマのパンツは虎です。牛と虎は丑寅（うしとら）は北東で鬼門のことです。北東は鬼が出入りする方角とされ「鬼門」と呼ばれていました。平安京では魔除けのために北東に延暦寺・日吉大社・貴船神社・鞍馬寺を配置、裏鬼門と呼ばれる南西の方角には石清水八幡宮を配して魔を封じたのだそうです。元興寺の創建は和銅3年（７１０年）ですから、それ以前は、鬼は居なかったという理屈です。

丑（牛）の角と、寅（虎）のシマシマからの連想で、今の鬼の姿が出来上がったというわけです。

悪い物、恐ろしい物として使われることの多い「鬼」という語ですが、例えば、鳥取県伯耆町（旧・日野郡溝口町）では、村を守った「強い物」として鬼を崇めていたり、青森県の岩木山では鬼の善行に感謝して、神社の「神」として鬼を祀っているなど、これらのほかにも日本の各地には鬼を善的に捉え、また、畏敬の念で見ている例が少なくありません。節分の豆まきに見られるように、鬼が厄災をもたらすとする信仰も根強いが、まったく逆に、鬼が悪霊を追い払い、人に幸福をもたらしてくれる存在と考えている例も少なからず見られます。

日本語では逞しい妖怪のイメージから「強い」「悪い」「怖い」「大きな」「物凄い」といった意味の冠詞として使われる場合もあります。朝廷にまつろわぬ民や法を犯す反逆者、山に棲む異界の住人であれば鍛冶屋のような職能者も鬼と呼ばれていました。

鬼は、ウツシコオ（内色許男命）＝スサノオ（津田の王）のことです。ウツシコオはこれまでこのブログで見てきたように「強い」「悪い」「怖い」「大きな」「物凄い」人物です。

一番有名な鬼と言えば、やはり桃太郎に出てくる鬼でしょう。その鬼にも名前があって温羅（うら）というのです。ウツシコオは浦嶋太郎です。浦は温羅で、嶋は兕馬觚（魏志倭人伝）です。参照：うず彦（椎根津彦）　～浦島太郎　塩土老翁～浦島太郎２　君が代（１）～志賀海神社

※このブログは、御牧国（ミマキ国）が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

・ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。

・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。　

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＜目次＞

　第１話～第４０話　　　第４１話～第８０話　　第81～第120話　　　第120話～第160話