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伊都国  一大率は五十猛 

更新日:4月27日

第77話


伊都国(いとこく)は、魏志倭人伝など中国の史書にみえる倭国内の国の一つです。末廬国から陸を東南に500里進んだ地に所在するとされ、大和時代の伊覩縣(いとのあがた)、現在の福岡県糸島市の一部と福岡市西区の一部(旧怡土郡)に比定されています。が、伊都国は、和歌山県にもあります。〒649-7199和歌山県伊都郡かつらぎ町


そしてこの和歌山県の伊都は、五十猛と関連のある地です。五十猛は、イタケル、伊太祁曽(イタキソ)、イトテなどとも呼ばれるいますが、ここでは五十猛とします。五十猛はこの地で多くの木を植えたことは、以前書きました。和歌山県の伊都は、九州の伊都国から移転してきたと思われますが、こちら(和歌山)の伊都の方が先(本土:もとのくに)の可能性があります。後述


「伊都国に着く。代々王がいるが、みな女王国に属している。帯方郡使が来るときは必ずここに滞在する。」、また「女王国より北には、一大率(邪馬台国から派遣された軍の総司令官的な役職)という指令官を置いて、諸国を監視させている。諸国は指令官を大変恐れけむたがっている。一大率は伊都国にいる。」と記載されています。


女王国は、邪馬台国(大和朝廷)でしょう。

福岡県糸島市の高祖山の麓には高祖神社( たかすじんじゃ)があります。この神社には、五十迹手伝承があります。この神社は怡土県主を祀る神社です。福岡県神社誌によれば、当社の創立の起源ははっきりしないが、怡土県(いとのあがた)の鎮土の社として上代から鎮座していて、怡土県主(いとのあがたぬし)の崇敬が厚かったことがはっきりしています。つまり怡土(いと)県主は五十猛なのです。したがって一大率は、五十猛だと思われます。


孫栄健氏は「邪馬台国の全解決」の中(p243~p284)で伊都国について詳しく説明されておられます。伊都国王は最大の権力者、一大卒、卑弥呼の男弟、倭王は同一人物である断定しておられます。これは私の説とほとんど同じです。卑弥呼(ウツシコメ)の弟=ウツシコオで、孝元天皇(饒速日)の宰相、当時の倭王は孝元天皇(饒速日)、一大卒は饒速日(五十猛)です。


筑前国風土記逸文では、「五十迹手(いとで)奏ししく、高麗の国の意呂山に、天より降り来し日桙の苗裔、五十迹手是なり。」「天皇、即ち五十迹手を美めたまいて伊蘇志(いそし)と曰う。故れ、時の人五十迹手が本土を号けて伊蘇(いそ)国と曰う。伊覩(いと)と謂うは訛れるなり」と紹介されているように、天日槍の子孫が伊蘇国と名づけ、それが訛って、伊都国になったという。


旧怡土郡は大化の改新以前は伊覩縣(いとのあがた)が置かれ、日本書紀によるとその祖の名は五十迹手(いとて)とされています。福岡市西区には伊覩神社が存在している。


一大率は五十猛で間違いないでしょう。五十猛は饒速日(孝元天皇)※注下記です。そして女王は卑弥呼すなわち孝元天皇后つまりウツシコメです。


東南五百里 到伊都國。戸万余。置官曰爾支 副曰洩渓・柄渠。其國王皆属女王也(魏略)


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<追記>

五十猛が、海外(高麗国意呂山より)やって来たと思っておられる方が多いかと思いますが、古事記では高天原を追放された素戔嗚尊(スサノオ)とともに新羅曽尸茂梨に天降り、スサノオがこの地吾居ること欲さず(「乃興言曰 此地吾不欲居」)と言ったので、一緒に埴土船で渡って出雲斐伊川上の鳥上峯に至ったとあります。いったん新羅に行ったのですが、すぐに帰ってきたのです。五十猛は日本人です。


五十猛神が天降る際に多くの樹木の種を持っていたが、新羅には植えずに全てを持ってきて、九州からはじめて大八洲国に植えたので、青山に被われる国となったということです。


高祖神社の祭神は高木姫、彦火火出身尊、玉依姫との説もありますが、もとは高木神(タカムスヒ神)つまり、孝元天皇の宰相ウツシコオです。孝元天皇(饒速日)と交代で一大率をやっていたのかもしれません。


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<2023.11.15後記>

京都の八坂神社で、八柱御子神 (やはしらのみこがみ)として素戔嗚尊の8人の子供(八島篠見神、五十猛神、大屋比売神、抓津比売神、大年神、宇迦之御魂神、大屋毘古神、須勢理毘売命)を祀っています。古事記では五十猛神(イタケル)は第2子、大歳(饒速日)は第5子となっています。つまり五十猛と饒速日は同一人物ではなく兄弟だということです。




※これまでの記事はこちらです。このプログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。

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