第134話
大阪府高槻市にある三島鴨神社は、伊予の大山祇神社、伊豆の三嶋大社とともに「三三島」と呼ばれたといいます。また、日本で最初の三島神社(山祇神社)としています。
現在の祭神は、大山祇神 と事代主です。
伊予国風土記によれば、伊予国乎知郡(越智郡)御島に坐す大山積神(大山祇命に同じ)は、またの名を「和多志の大神」といい、仁徳天皇の御世に百済より渡来して津の国の御島に鎮座していたといいます。「津の国の御島」とは摂津国三島(現 高槻市三島江)を指すとされています。「和多志の大神」とは渡し、つまり淀川の渡船の神だったのです。
前号で、大山祇は守口の大日彦(オホヒヒコ)で、ただの守口のおっちゃんと書きましたが、孝霊天皇(素戔嗚)に嫁を出すくらいのですから、それなりの地位のある人物であったはずです。味舌姫(孝元天皇妃:細媛命)の父とされる十市県主の祖の「大目」は「大日」の間違いです。大日彦は、渡し舟の総元締めで、淀川の水運を管理していたのでしょう。三島の溝杭はこの大日彦だと思われます。事代主が三島の溝杭とする説もありますが、三島鴨神社では、別々の神として祭られたいます。事代主は『先代旧事本紀』では、大国主神と高津姫神(宗像三女神の多岐都比売命とされる)の子として記述されています。なお海部氏勘注系図には高津姫神は「神屋多底姫」で古事記での大国主神が神屋楯比売命を娶って生んだとする記述と一致します。高津姫 ~岩船街道
事代主と大日彦は別人です。事代主神 は鴨氏の氏神とされ、日本書紀では事代主神が八尋熊鰐となって三島溝杭耳の娘玉櫛媛のもとに通い、生まれた媛蹈鞴五十鈴媛命が神武天皇の后になったと記されています。先代旧事本紀では三島の溝杭の娘である玉櫛媛は初代皇后の媛蹈鞴五十鈴媛命の母として知られています。
媛蹈鞴五十鈴媛命が神武天皇の后になったというのは、守口の大日彦の子の味舌姫(細姫)が孝霊天皇(スサノオ)の后になったということです。真舌媛は、宗像三女神! ~三島(茨木市)
大日彦こそが、三島の溝杭です。玉櫛姫が神大市比売神で宗像三女神の市杵島姫神です。大山祇~邪馬台国異聞8
三島鴨神社の近くには溝咋神社があります。玉櫛、五十鈴、天王(素戔嗚のこと)、奈良はみなこの付近の地名です。〒567-0874
三島鴨神社の祭神の大山祇神は、大三島の大山祇神社へ移ったとされます。三島はそもそも「御島」だったのでしょう。
13世紀の「釈日本紀」に引用される「伊予国風土記」にも「御嶋(三島)に座す神は大山積神」という記述があります。
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<後記>
住吉大社神代記には、大日日命(オヒビブビノミコト)は開化天皇でミマキイリヒコ(崇神天皇)の父と書いてあるそうです。
大日彦が大日日命なら、大日彦の娘が孝霊天皇(素戔嗚)の妃というは無理があります。しかし、大日彦が淀川の支配者なら、開化天皇説も考慮に値します。
:大山祇
※これまでの記事はこちらです。このプログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。
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