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今迦毛大御神と天若日子

更新日:3月13日


第247話


大国主神の系譜にアジスキタカヒコネ(以下:高日子根)は「今迦毛大御神(いま・かものおおみかみ)と謂ふぞ」とあります。大御神とは最高神という意味です。古事記の「大御神」は高日子根の他に天照大御神と伊耶那岐命(いざなぎ)の二神だけです。 「迦毛」は地名で、奈良県御所市鴨神を指すします。迦毛は鴨、加茂、賀茂(カモ)です。ということは迦毛大御神はカモの神(鴨王)ということです。鴨王はウツシコオでした。そして現在(当時)の鴨王という意味で今鴨王=今迦毛大御神です。


なぜ、高日子根が天照大御神や伊耶那岐命と並ぶくらいの偉い神とされているかは良くわかっていません。「大御神」は、ある時期における迦毛大御神とこの神を祭った氏族の勢力の強大さを物語るとする説や、大国主神と多紀理毘売命(天照大御神と須佐之男命のウケヒで誕生した長女)の長子であるため、系譜上で重要視される存在だからという説などがあります。


古事記では、高天原に反逆した天若日子の弔問に高日子根は訪れますが、天若日子の父や妻に天若日子と間違われ、阿遅志貴高日子根神(迦毛大御神)が喪屋を切り伏せるという神話が記されており、通説ではその天若日子の喪は再生・復活の儀式とされています。つまり、高天原の反逆者の再生・復活を意味するものであるため、再生の可能性を完全に断ち切ることで処罰を完結させたと捉え、「大御神」という最上位の待遇で称されるということです


天若日子はどんな悪いこと(反逆)をしたかというと、「葦原中国を平定するに当たって、遣わされた天之菩卑能命(アメノホヒ)が3年たっても戻って来ないので、次に天若日子が遣わされた。そこで天照大御神と高御産巣日神(タカミムスビ)は雉の鳴女(ナキメ)を遣して戻ってこない理由を尋ねさせた。すると、その声を聴いた天佐具売(アメノサグメ)が、不吉な鳥だから射殺すようにと天若日子に勧め、彼は遣わされた時に高皇産巣日神から与えられた弓矢(天羽々矢と天之麻迦古弓)で雉を射抜いた。その矢は高天原まで飛んで行った。その矢を手にした高皇産巣日神(高木神)は、「天若日子に邪心があるならばこの矢に当たるように」と誓約をして下界に落とす。すると、その矢は寝所で寝ていた天若日子の胸に刺さり、彼は死んでしまった。」というのです。


高日子根が天若日子に大変よく似ていたため、天若日子の父と妻が「天若日子は生きていた」と言って抱きついた。すると阿遅鉏高日子根神は「穢らわしい死人と見間違えるな」と怒り喪屋を剣で切り倒し、蹴り飛ばしてしまった。


天若日子が何か悪いこと(反逆)をしたとは思えません。が、「その矢は高天原まで飛んで行った。」という部分に高天原(大和朝廷=邪馬台国)に対する反逆という意味が込められています。前号で高御産巣日神という呼称が、呼称が急に高木神に変化する点もヒントです。急変するのは、天若日子派遣の場面からです。


天若日子の喪屋を切り伏せて怒って飛び去る様子は、山城国風土記の可茂別雷神の昇天の様と近いものがあり、同等の性格をもつ神とも解されています。


味鋤高彦根命(あじずたかひこねのみことは、賀茂建角身命(かもたけつのみみこと)と同一の神様で、下賀茂神社の祭神です。上賀茂神社の祭神は賀茂別雷大神で、どちらか区別がつかない、間違いやすいと以前書きました。賀茂別雷大神が建御雷神(たけみかづち)なら賀茂建角身命(味鋤高彦根命)と紛らわしいのです。


賀茂別雷大神が天若日子だとすると話が見えてきます。天若日子はタケハニヤスである可能性が出てきました。賀茂建角身命(味鋤高彦根命)がタケハニヤスを討った(討つように命令した)ということなのではないでしょうか。高日子根の母親は、多紀理毘売命でウツシコオの娘です。建御雷神(タケミカヅチ)の父親は長脛彦です。長脛彦がウツシコオなら多紀理毘売命はタケミカヅチの兄弟(姉弟)となり、親戚です。顔つきも似ていたの高日子根はタケミカヅチに間違われたのでしょう。前号の豊御気主命は三毛入野! では三毛入野は長脛彦です。天日方寄日方命(ウツシコオ)→健甕尻命(タケミカヅチ)の説明をしています。


余談ですが、天若日子はアマノジャクであるという説があります。



    :長脛彦の物語


※このプログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

 今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。 

※これまでの記事はこちらです。





「地震のおかげで普請が増え、大工が儲けて大喜びしている」という、地震よけの歌にかこつけた風刺画(安政2年10月の瓦版)。ナマズを抑えるのはタケミカヅチ


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3 Comments

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秀丸 遠嶽
秀丸 遠嶽
Mar 06
Rated 5 out of 5 stars.

なんとアメノホヒは、オオクニヌシの偉大さに惚れ込んでしまい、地上界で仲良く暮らしていたのでした・・・

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秀丸 遠嶽
秀丸 遠嶽
Mar 03
Rated 5 out of 5 stars.

天之菩卑能命(アメノホヒ)が3年たっても戻って来ないのでこのような事態に打開すべく、高天原の神は任務遂行を催促する為の使者をアメノワカヒコの元に派遣しますが、あろうことか天若日子はこの使者を弓矢で射殺すという暴挙にでたとする説もありますが、この説明も良く分かりません。


アメノホヒ - Wikipedia

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