第426話 #前方後円墳 #銅鐸 #稲作
台与(トヨ)が邪馬台国のトップになった頃に、ヤマト(邪馬台国)は劇的に変化します。
まず銅剣・銅鐸が廃棄されます。崇神記には疫病の流行と民の流出がかかれています。疫病はすさまじく何年も続き民の半分が亡くなった伝えられています。私はこれがヤマト(邪馬台国)三島(御島)、御牧(枚方・高槻)をいったん放棄した事と繋がっていると思っています。参照:空白の150年2~郡遺跡・倍賀遺跡
銅剣・銅鐸が廃棄された時期と疫病が流行した時期は重なっていて、まるでウイルスがくっついていると当時の人は思って銅剣・銅鐸が廃棄されたのかと思ったくらいです。
しかし、銅剣・銅鐸の廃棄は鉄器が普及したからでしょう。
銅剣は鉄剣に変わり、そして銅剣・銅鐸は前方後円墳の出現と入れ替わるように突如作られなくなり、打ち壊されて土に埋められます。参照:銅鐸・銅剣は廃棄物
私は、銅剣・銅鐸はヤマト(邪馬台国)が日本を統一していく過程で、ヤマトにすんなりと従ったものには銅鐸を、そして従わなかった部族には武力で屈服させた後に銅剣を与えたと考えていました。
銅剣・銅鐸の廃棄したと同時期に現れたのが前方後円墳の出現及び、人を神として祀る祭祀
つまり神社の出現です。この前方後円墳と神社の出現こそがヤマト王権による天皇の統治の始まりを告げているのです。つまり前方後円墳が銅鐸・銅鐸の代わりということは、ヤマト(邪馬台国)が征服した地に前方後円墳と神社を造っていったということです。
考古学的にも大和の纏向遺跡からは2世紀後半の地層から突如関東~北九州にまで至る各国の土器が現れるようになり、4世紀中葉の地層でそれが途絶えます。各国の土器が一都市に集中するのはヤマトの都がそこにあった証でしょう。
そして更に、稲作(水稲)は北部九州からゆるやかに東に広がりましたが、古墳時代以降のは近畿地方を中心に一気に稲作が普及します。これは、二つの巨大淡水湖(奈良湖・河内湖)の干拓を行い、大規模農業に成功したからです。これにより、一極集中型の巨大国家が誕生しました。饒速日(ニギハヤヒ)の別名である大年神は、農耕や土地にまつわる神を中心としたものと捉えられています。参照:第259話:大歳~稲耕の神 第221話:饒速日は稲作の神
巨大な前方後円墳を作れた財力の源は、農業です。近畿地方が、古墳時代という黄金期を迎えたのは、大規模農業の成功にありました。淡水湖を干拓すれば、広大な農地が手に入る。 それを実践したのです。奈良湖、河内湖という巨大な淡水湖を干拓し、広大な水田稲作地を作り出しました。
これにより、奈良・河内エリアの、一極集中型の巨大国家が出現する事になります。 淡水湖干拓なので、密林地帯を開墾しなくてもよかったのです。奈良湖は四世紀頃までに大部分の水が引き、古墳時代から飛鳥時代へという日本の中心地として、近畿地方の確固たる地位を築きました。
秦氏を中心とした中国大陸や朝鮮半島からの渡来人の流入も見逃せません。
前回で述べたように秦氏は潅漑用水・港湾の修築まで、農耕・土木・養蚕・機織・鉱山・治水・製銅・精錬・冶金・工芸・酒造・製塩・船運等の技術を持っていました。
卑弥呼・台与の生きた時代はちょうど記紀の欠史八代に当たり、倭国大乱以降の2世紀後半~3世紀中葉に当たります。秦氏は科学技術・科学知識も豊富でした卑弥呼がシャーマンとされるのは、科学的知識をもっていたからです。巫術とは科学・医術のことで、石薬(鉱物系の医薬)の生成とその巫術的使用を指すのでしょう。参照:第73話:鬼道はサイエンス ~古代天皇は技術者&ビジネスマン
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
※これまでの記事はこちらです。
<目次>
河内湖と奈良盆地湖
<邪馬台国の新常識>
ウガヤフキアエズのミコト
邪馬台国の誕生
徐福伝説と「呉の勝」
日向は大阪府守口市
櫛名田比売2~八雲は守口市
ウツシコオの名前についての弁明
多氏と長脛彦
饒速日と長脛彦
<河川は古代の高速道路>
市寸島比売は厳島!~広島・三島 )
真舌媛は、宗像三女神!~三島(茨木市)
全ての道は三島に通じる。
<欠史八代の天皇の正体>
素戔嗚(スサノオ)は、孝霊天皇
丹・朱を求めた天皇たち
<大彦>
大国主は、大彦
大彦
大彦は、高倉下~新潟県西蒲原郡弥彦村
大彦の北陸道遠征
大彦~メスリ山古墳: 桜井市
大彦は、綏靖天皇~タケハニヤスの乱4
大国主は、大彦 ~出雲は三島
<卑弥呼>
卑弥呼は名草トベ~和歌山市
卑弥呼は萬幡豊秋津師比売
<ウツシコオ(内色許男命)=大綜麻杵(オオヘソキ)>
ウツシコオは難升米ではなかった?
ウツシコオは魏志倭人伝に登場する難升米
八咫烏の真実~ウツシコオ陰謀の始まり
<饒速日>
饒速日は大阪府茨木市出身
星の降る町~速玉は饒速日
伊都国 一大率は五十猛(饒速日)
孝元天皇は五十猛!~椿井大塚山古墳
五十猛の九州征圧
神功皇后と五十猛
饒速日が死んだ!~ウツシコオの陰謀
孝元天皇と家族たち
饒速日はスサノオの子
<タケハニヤスの乱>
:タケハニヤスの乱1
:タケハニヤスの乱2 ~阿太(奈良県五條市)
:タケハニヤスの乱3 ~小人国
:タケハニヤスの乱4~大彦は、綏靖天皇
:タケハニヤスの乱最終章