第69話
タケハニヤスの乱の最終章で、「饒速日の息子ウマシマジは兄の大彦とともに禁野に布陣していました。タカクラジ(高倉下)は大彦でした。それはまた後日に説明。」
と書いてしまいましたので、その説明をします。
大彦は、大国主です。大国主は、饒速日の子です。饒速日の子はタカクラジとウマシマジです。ですから、単純にタカクラジは、大彦と推測できるのです。
海部氏系図の「勘注系図」の天香語山命の註に、始祖彦火明命が大屋津比賣命を娶り高倉下を生んだと記述されています。大屋津比賣命は五十猛(饒速日)の妹とされています。火明命は饒速日の別名です。例によって系図が混乱していますが、以前書いたように「八十神たちの謀略によって大国主神が殺されたため、再び蘇生させて息子に大屋毘古神の木の国に行くよう施したと」あることから、大屋毘古神=饒速日で大国主=高倉下で間違いないでしょう。
さらに調べて見ると手がかりがありました。
新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦に彌彦神社(やひこじんじゃ)があります。創建年代は不詳。祭神の天香山命です。天香山命は古事記では高倉下として登場しています。社伝には、天香山命は神武天皇の大和国平定後、勅命を受け越国を平定、開拓に従事したとのことで、命は越後国開拓の詔により越後国の野積の浜(現・長岡市)に上陸し、地元民に漁撈や製塩、稲作、養蚕などの産業を教えたとされています。このため、越後国を造った神として弥彦山に祀られ「伊夜比古神」として崇敬されています。ただし、尾張国造家の祖神である天香山命が越後に祀られるのは不自然なため、本来の祭神は北陸の国造家高橋氏祖神の大彦命ではないかとする説もあるそうです。
大彦は阿倍臣(阿倍氏)を始めとする諸氏族の祖。四道将軍の1人で、北陸に派遣されたとされています。八千矛神(大国主=大彦)も「高志国(福井県敦賀市から山形県庄内地方)の沼河に住む沼河比売を妻にしようと思い、高志国に出かけて沼河比売の家の外から求婚の歌を詠んだ。沼河比売はそれに応じる歌を返し、翌日の夜、二神は結婚した。」とあります。
大彦=大国主=高倉下=天香山命そしてさらに綏靖天皇でした。
一人の人物がこれほど多くの名前を持つということは、各地で様々な活躍をしたということです。まさに大彦は英雄と言っても良い人物だったのです。それが気に入れないウツシコオは、大彦の実態を隠すために様々な名前に書き換えたのです。
※このプログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。
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:タケハニヤスの乱最終章