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尾張氏と草薙剣

更新日:8月15日

第409話


高尾張邑(たかおはりのむら)は、現在の奈良県御所市や葛城市、香芝市の一部にあたります。この地域は、古代の尾張氏の伝承地として知られています。高尾張邑(尾張村)には土蜘蛛が居ました。体が侏儒のように小さく手足は長かったと書かれています。

日本書紀では神武天皇が即位以前、大和国で恭順におよばなかった土蜘蛛をそれぞれ討ち取らせた。また高尾張邑にいた土蜘蛛を葛(かずら)作ったで網を使って討っており、そのことに因んで地名を葛城(かつらぎ)と改めたと記しています。


第52話:小人国 ~葛城:では次のように書いています。

高尾張邑に、土蜘蛛あり、其の為人(ひととなり)、身短くして手足長し。侏儒と相類(あいに)たり、皇軍葛の網を結(す)きて、襲ひ殺しつ。因りて改めて其の邑を葛城という。

小人のような土蜘蛛は鉱山労働者ではないかと、「青銅の神の足跡」の中で谷川健一氏は述べられておられます。狭い鉱山の中では小人の方が仕事がしやすいのです。そう言えばディズニーの「白雪姫と7人の小人」の小人は鉱山業者でした。


葛城邑には赤銅の八十梟師が、磯城邑には磯城の八十梟師がいました。この時、神武の軍と八十梟師とが争ったようです。参照:第83話:八咫烏の活躍


尾張氏の遠祖は、天香語山命(天牟良雲命・天背男命)とされており、天香語山命はやがて東海地方に移り、尾張国の基礎を造り、代成務天皇の頃(4世紀前半)、大和の尾張氏は東海地方に移って尾張国を拡げたとされています。天香語山命・天牟良雲命・天背男命はもちろんウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王です。


葛木坐火雷神社(通称:笛吹神社)火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)・天香山命です。海部氏と同族の尾張氏の系図では建田背命(建田勢命)の弟に建多乎利命も記されており、笛吹連(ふえふきのむらじ)等の先祖になっています。


笛吹神社の宮司家である持田家の系図も海部氏や尾張氏系図と同じく、祖神を天火明命としています。笛吹連は第403話:伊福部氏と息長氏で書いたように、伊福部、息長氏とつながっています。海部氏と尾張氏は系図が同じであることから同族と言えます。参照:各氏の祖はスサノオ=ウツシコオ!


蘇我氏、葛城氏、吉備氏、物部氏、大伴氏、中臣氏などはすべてウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王を祖としているのです。


<吉備と尾張氏>


尾張(ヲハリ)の名の神社が岡山にもあります。備前の御野郡に尾針神社と尾治(おはり)名真若比女神社(おはり・わかひめ)があります。尾張と言えば熱田神宮の草薙剣です。

この剣は、スサノオが出雲で八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した時に、大蛇の体内(尾)から見つかった神剣です。そしてその八岐大蛇を退治したときに用いが剣が「今、吉備の神部の許に在り。」と日本書紀に書いてあります。これにより吉備と尾張が緊密な関係であったことがうかがえます。


石井源太夫は尾張国造小豊命=尾張国造と記される乎止與命

葛城地方には剣根命の後と伝える葛城国造がおり、第406話:金銀錯嵌珠龍文鉄鏡(2)大原足尼命はトヨ で述べた石井源太夫(いしいげんだゆう)が八幡宮(日田市の大原八幡宮)に祈願して、剣を大空に向かって投げ、落ちたところを社地と定めたといいます。この剣を投げ社地を定めた石井源太夫は尾張国の蓬莱島に宮地が有り、そこに祭られる尾張国造小豊命であるとも有ります。尾張国の熱田神宮、境内摂社の上知我麻神社(かみちかまじんじゃ)は通称源太夫社*と呼ばれ、祭神は先代旧事本紀に尾張国造と記される乎止與命です。すなわち魏志倭人伝でいうところのトヨ:とよ(乎止与命・台与・臺與)です。参照:金銀錯嵌珠龍文鉄鏡(2)大原足尼命はトヨ


石井源太夫が投げた剣は、八岐大蛇を退治した剣ではなく、八岐大蛇の尾から出てきた剣でしょう。すなわち草薙剣で天叢雲剣ともいいます。天叢雲剣(あめのむらくも)=天牟良雲命は尾張氏の祖とされています。日本書紀によると尾張氏の祖は天火明命(あめのほあかりのみこと)を祖神とし、天忍人命から始まるとされています。


天牟良雲=天火明命=天忍人命=ウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王です。

さらに言えば、天牟良雲=大彦=大国主=高倉下=天香山命そしてさらに綏靖天皇でした。参照:大彦は、高倉下


※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

・ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。

・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。 

※これまでの記事はこちらです。


<目次>





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秀丸 遠嶽
秀丸 遠嶽
Aug 13
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<これまでウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王であることが判明した人物>


第374話:牛鹿臣はウツシコオ!   第371話:彦狭島命~吉備児島

第372話:建日方別:彦狭嶋命  第369話:神武西征~健磐龍命

第365話:君が代(2):君はウツシコオ   第363話:彦はすべて、ウツシコオ

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第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口  第327話:于道朱君の衝撃~新羅

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第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬)  第331話:朱智神社~迦邇米雷王

第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?

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