第417話
茨木から高槻にかけての三島地方は、古代、きわめて重要なところでした。第399話:高槻は、邪馬台国の軍港だった!で述べたように、淀川沿いにあるこの地域は、古代、瀬戸内海と畿内を結ぶ重要な交通路でした。
高槻市にある安満遺跡と、茨木市にある東奈良遺跡の二つの弥生遺跡は、日本古代史の重要な鍵を握る遺跡です。甲子園球場の5つ分という広大な安満遺跡は、居住群のまわりを壕でめぐらせる環濠集落跡で、集落の南側に用水路を備えた水田が広がり、東側と西側は墓地になり、方形周溝墓が100基以上確認されています。参照:邪馬台国は北摂!!
さらに、最近(2017年)東奈良遺跡の真北3kmほどのパナソニック工場跡(茨木市松下町)から、弥生時代中期から後期にかけての大規模な遺跡である郡(こおり)遺跡、倍賀(へか)遺跡が見つかりました。
140もの方形周溝墓(周囲に溝を掘った墓)や、弥生人をかたどった人形などが見つかり、方形周溝墓の数は、現状では、滋賀県の服部遺跡に次ぐスケールです。
非常に興味深いことに、この郡遺跡、倍賀遺跡から正確に真北の方位の4.5kmのところに阿武山があり、その南麓に、貴人の墓(*注下記)として大騒ぎになった阿武山古墳があります。この阿武山古墳と、弥生時代の謎の鍵を握る東奈良遺跡、都遺跡、倍賀遺跡が、南北7kmのライン上に、きれいに配置しています。
そして、阿武山の麓に、阿為神社が鎮座するが、その周辺、安威古墳群があり、ここには、古墳時代前期の前方後円墳と、古墳時代前期と後期の円墳が20ほど確認されている。なぜか、二つの時代のあいだの古墳時代中期のものは存在しません。
さらに、この竜王山山頂から真南に5.7kmのところに、新屋坐天照御魂神社(にいやにますあまてるみたまじんじゃ)があり、その周辺に5世紀後半から7世紀にかけての30基ほどの新屋古墳群があります。この古墳群も、古墳時代前期や中期のものは存在せず、古墳時代中期の後半から古墳時代後期(6世紀から7世紀)の古墳群となっている。
この空白期間については、崇神記に書かれている疫病の流行と民の流出が原因と思われです。疫病はすさまじく何年も続き民の半分が亡くなった伝えられています。疫病の原因は、
他の民族との接触によるウイルスによる感染症だと思われます。案外、感染源は、邪馬台国に派遣された魏の使者の名前は張政(ちょうせい)辺りかもしれません。
私は、この大規模な疫病(コロナ?)により、三島・御牧(枚方・交野)はいったん都市として放棄されたものと思います。これが空白の150年で、邪馬台国が歴史から消えてしまった理由だと思います。参照:第2話:空白の150年~邪馬台国
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貴人の墓(*注下記)
この阿武山古墳の主は、藤原の鎌足のものだと思われます。出土品の分析結果が鎌足の死因(落馬後に死去)と一致すること、この冠がおそらく当時の最高冠位である織冠(大織冠)で、それを授けられた人物は、史上では百済王子の余豊璋を除けば大織冠の鎌足しかいません。なお余豊璋も鎌足です。参照:中臣鎌足は豊璋(ほうしょう)
学術的には、被葬者には鎌足の同時期の蘇我倉山田石川麻呂や阿倍倉梯麻呂(内麻呂)に比定する説もあり、未だ明らかでありません。しかし、2014年10月、大阪府茨木市の東奈良遺跡で阿武山古墳の塼(古代の煉瓦)と酷似している塼が発見され、京都府立大学の菱田哲郎教授は発見された遺物は藤原鎌足に関係するとしています。東奈良遺跡の周辺には、鎌足が隠居した三島別業という別邸があったとされています。
邪馬台国のあった空白の地を回復したのは、藤原鎌足だったのです。
関連項目:高槻は、邪馬台国の軍港だった!
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
※これまでの記事はこちらです。
<目次>
久我神社と紀伊 (hidemaru3375.com)
中臣氏が「雷」の神として剣神・武神という性格を持たせて、国譲り神話に挿入した[30]。
雷はイカ
<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天