第411話
海部氏と深く関係していている籠神社は京都府宮津市にあります。
籠神社が所蔵する1602年(慶長7年)の丹州熊野郡久美浜村御検地帳に久美浜と地名が出てきます。以来、1894年(明治27年)の町制施行まで「久美浜」は村名としてあり、その範囲は現在の久美浜一区と称される地域の中心部に該当します。毎年、カニシーズンになると賑わうところです。私も、冬季は2~3回久美浜に蟹を食べに出かけています。
海部氏の系図である勘注系図では、孝霊天皇の時代に丹波国丹波郷にて宰(宰相)として奉仕していた彦天火明命一族(海部氏)は、その後、山城国久世郡水主村に移ったとされています。
その水主神社(みずしじんじゃ)は京都府城陽市水主宮馬場にあります。
第405話:倭迹迹日百襲姫命(ヤマトトモモソ姫)はトヨですでに書いたのですが、水主神社の境内摂社の衣縫神社の祭神は豊組野命は女神で、オトヨ(乎止与命)、即ち魏志倭人伝の”とよ(乎止与命・台与・臺與)”と思われます。
そして京都府城陽市の辺りは、今でも久世郡で久御山町(くみやまちょう)と言います。
久美浜(くみはま)と久御山(くみやま)は似た地名です。彦天火明命一族(海部氏)が、その後、山城国久世郡水主村に移ったとする勘注系図の伝承を裏付ています。
久美浜の地名の由来について、神谷太刀宮神社(京都府京丹後市久美浜町)の記録に準ずる京都府熊野郡誌では、四道将軍の丹波道主命の刀剣「国見の剣」に由来し、「国見(クニミ)」が「久美(クミ)」に変化したものと記すとあります。国見とはその地を征服したという意味です。
古代、安曇系海人族であるとみられ、大きな耳輪を嵌めていたので「ミミ族」と呼ばれ、刳り船を操って山陰海岸を東に勢力を広げ、久美浜湾に到達したのは弥生時代後期から古墳時代前期以前とみられています。日本書紀の「垂仁記」に登場する但馬の太耳や前津耳とよばれる者、古事記の「応神記」に登場する多遅摩の前津耳などが知られています。
海部氏(安曇・海人族)の勢力圏であったとミミやミのつく地名は山陰から若狭地方にかけて数多く残り、丹後半島においては久美浜湾を一大拠点として丹後海人族の中核にいたと考えられています。このブログでは陸耳御笠(くがみみ)は何度も登場しています。クガは京都市伏見区久我(クガ)あたりの地名です。参照:山崎津と玖賀耳之御笠 彦国葺~タケハニヤスを射った男
魏志倭人伝では「南、投馬国に至る。水行二十日なり。官は弥弥と曰ひ、副は弥弥那利と曰ふ。五万余戸ばかり。」とあります。弥弥はミミですから、やはり投馬国は丹波=久美浜です。
勘注系図では海部一族(ワタツミ一族)は丹後から、山代に来たとしていますが、私はワタツミ一族は「呉の勝」で和歌山県名草から三島に来たというのが本当(*追記参照)だと思います。
参照:第48話:太田市と遺跡 ~呉の勝
邪馬台国時代の三島が向日市辺りまでだとすると、久御山とは隣接しています。
久御山町は財政力指数1.12と財政力ランキング全国1896位中43位、京都府では1位です。1972年(昭和47年)度より連続して普通交付税不交付団体であり続けており、2023年(令和5年)度現在で52年連続となっています。
中国の歴史書「史記」によると、徐福が最終的にたどり着いた地は平原広沢とされています。平原広沢の平原は久御山(=御牧・三島)で、広沢は巨椋池でしょう。
参照:第284話:邪馬台国は巨椋池
徐福は、その地の王となり中国には戻らなかったとあります。スサノオも枚方市津田の国見山で国見(征服)をしたと思われます。原住の勢力(饒速日)を打ち破り邪馬台国を樹立したのです。参照:第351話: スサノオは津田の王
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*追記 2024.8.25
ウツシコオは姉のウツシコメを八十梟師(ヤソタケル)の妃にすることを条件に和睦し、自らは、宰相(宿祢:スクネ)となり孝元天皇の臣下となります。ウツシコオは但馬(丹波)を任されたと思います。ウツシコオは丹波道主王=丹波の大縣主:由碁理=建諸隅命=川上麻須です。ウツシコオは、宴会の場で孝元天皇を刺し殺します。これが第373話:孝霊天皇クーデター事件であり、第404話:熊襲建=川上梟帥とヤマトタケル でもあります。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
※これまでの記事はこちらです。
<目次>
”とよ(乎止与命・台与・臺與)”
茨田堤 (hidemaru3375.com)
<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天