第611話 #天太玉命 #萩原一号・二号墳 #ホケノ山古墳
奈良県橿原市忌部町にある天太玉神社(あめのふとたまのみこと神社)は、曽我川川に沿っており、この曽我川を遡ると丹生谷(にゅうだに)という地名があります。さらにそこから下った地名に新沢(にいざわ)があります。ここには新沢千塚古墳群があります。この辺りからは水銀朱が産出します。
この水銀朱を産出していた一族は、徳島県鳴門市から来たとされるのは上垣内憲一先生です。なぜなら徳島県鳴門市にある萩原一号・二号墳とこの地(大和盆地)にあるホケノ山古墳とが非常に似た造りに(そっくりに)作られているからです。
そしてさらにこの鳴門市にある萩原一号・二号墳は淡路島に非常に近い位置にあるため、第608話:鉱物資源と邪馬台国6~淡路島:鉄で書いた五斗長垣内遺跡(ごっさかいといせき)との関連を上垣内先生は指摘されておられます。
萩原一号・二号墳からは石臼も出土しています。臼と杵は朱(水銀)を生成するためのものです。~第154話:臼と杵~ヤマトタケル2
萩原一号・二号墳の付近には大麻比古神社があります。社伝には、「天太玉命の御孫:天富命、勅命を奉じて洽く肥沃の地を求め 阿波国に到りまして、麻楮の種を播殖し、麻布木綿を製して 殖産興業の基を開き 国利民福を進め給ひ、その守護神として、太祖天太玉命を此の地に斎き祀る。」とあります。猿田彦大神も祀られており、昔大麻山の峯に鎮まり坐しが後世に至り本社に合せ祀ると伝えられています。また、明治以前の祭神は天日鷲命でした。
天日鷲神は、古語拾遺によると、天日鷲神は太玉命に従う四柱の神のうちの1柱で、天照大神が天岩戸に隠れた際に、穀(カジノキ:楮の一種)・木綿などを植えて白和幣(にきて)を作ったとされています。そのため、天日鷲神は紡績業・製紙業の神でもあります。
~第395話:天日鷲命は、
主祭神の太玉命(フトダマ)は、古代氏族の忌部氏(いんべうじ)の祖神として知られています。~忌部氏と太玉命=彦狭知(ヒコサチ)については、彦狭知の物語(3)~安曇氏で書きました。
このブログでは何度も書いているように
猿田彦=事勝國勝=塩土老翁=岐神=興玉命=太田命=六座同体異名神です。
さらに天太玉命=太玉命=天富命=興玉命です。
天富命は、手置帆負命・彦佐知命(ヒコサチ)の二神の孫の讃岐忌部・紀伊忌部を率い、紀伊の国の材木を採取し、畝傍山の麓に橿原の御殿を作り、また斎部の諸氏を率いて種々の神宝・鏡・玉・矛・楯・木綿・麻等を作らせ、そのうち櫛明玉命の孫の出雲玉作氏は御祈玉を作ったとされています。
萩原一号・二号墳は3世紀、ホケノ山古墳4世紀は築造とされ、約1世紀以上の隔たりがあるとされています。萩原一号・二号墳の近くにある淡路島の五斗長垣内遺跡はAD100年ころから、BC220年ころまで稼働していたとされています。BC220年ころに彦佐知命(ヒコサチ)=スサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)が活動を開始します。つまり萩原一号・二号墳は淡路島のイザナギ(手置帆負神?) の世代で、ホケノ山古墳はウツシコオの時代のものということになり話が合っています。
{参考文献}謎の四世紀 上垣内憲一著
============================================
<蛇足の追記>
天日鷲神は、建葉槌命の父とされています。建葉槌命は天照大神を天の岩戸から誘い出すために、文布(あや)を織ったとされています。
豊石窓神(とよいわまどのかみ)も岩戸隠れの段にも登場しています。天石戸別神の別名とされ、櫛石窓神ともいいます。
思兼神、手力雄神、天児屋命、太玉命はウツシコオ(内色許男命)で、豊石窓神は台与(豊)でしょう。
・千葉県館山市にある安房神社の祭神は天太玉命です。天古語拾遺、および先代旧事本紀に記された阿波忌部が東遷してきたとされています。、忌部氏遠祖の天富命は、さらに良い土地を求めようと阿波地方(徳島県)に赴き、そこに麻・穀(カジノキ:楮の一種)を植えた。そして、阿波斎部が移住したのでその地は安房と名付けられてこれが安房国の国名になったとされています。丸山二郎氏は建御雷神と経津主神をヤマト王権の発展と拡大に重要な役割を持った物部氏が奉斎していた神々とし、鹿島神宮と香取神宮は朝廷の祭祀を司る中臣氏と関係する以前に物部氏が東国へ進出した際に成立したものとしています。~タケミカヅチは台与!!
<鉱物と邪馬台国シリーズ>
鉄と邪馬台国(3)~信太(和泉市) 鉄:高師小僧
鉱物資源と邪馬台国(4)~玉川鉱山 宝石・貴石=玉、自然銅
※これまでの記事はこちらです。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、高槻、枚方、交野です。
※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけ!??としています。
記紀の登場人物をスサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)、卑弥呼、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
<目次>

竹内文書 - Wikipedia
<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇
◎hidemaru3375.com/post/ヒコユキからウツシコオへの過程