第499話 #亀朴 #太占 #卜部 #中臣氏 #邪馬台国
卜部とは亀卜:きぼく(亀甲を焼くことで現れる亀裂の形(卜兆)により吉凶を占うこと)を職業とした品部です。系統が異なる氏族が日本各地に存在し、伊豆・壱岐・対馬の卜部氏は神祇官の官人に任ぜられ、神祇官の次官(大副・少副)には伊豆卜部氏が、下級職員である卜部には伊豆5人・壱岐5人・対馬10人の、それぞれ卜術に優秀な者が任じられたとされています。
6世紀より対馬は伊勢・壱岐とともに卜部を輩出する国とされ、律令制下においても国造が主体となり「京卜部」を貢上していました。対馬の下県郡からは直・卜部・夜良直各5人が中央に出仕しており、このうち直が津島直県の後裔氏族にあたると考えられています。
津島直県の始祖が、古事記では天津日子根命、新撰姓氏録では天児日子根命です。
天児日子根命は卜部を統轄する中臣氏の始祖です。天津日子根命=天児日子根命=天児屋根命です。
古代の日本社会では、亀の甲羅を焼きながら、そのひびの割れ方で吉凶を占う亀卜を行って国占いをする卜部(うらべ)が、対馬・壱岐だけでなく、日本列島の東の端に浮かぶ伊豆諸島からも任命される決まりになっていました。まだ人口も少ない古代社会において、東西およそ1000kmも離れた島々から国家の宗教的儀式を執り行う卜部が選出されていたことは大変興味深いことです。それは当時から既に、列島の周辺をくまなく船で行き来できるほどの海洋文化が存在していたことを意味しています。
太占(ふとまに)では聖獣「鹿」を用いることから、壱岐・対馬の卜部氏、藤原氏(中臣氏)との関係が窺えます。藤原氏を象徴するのは、「鹿」で、卜部氏は鹿の肩甲骨を用いていました。藤原氏(中臣氏)と卜部氏は同族です。「鹿」は太占の聖獣なので、鹿を神使いとする春日大社の春日も、元来は「滓鹿」と書きます。香取も「鹿取」で、阿曇氏の本拠地・志賀島(鹿の嶋)や、鹿児島神宮も鹿から来ています。鹿はウツシコオのキーワードです。~第388話:スサノオのキーワードは角と竹と、、
琉球神道記・鹿嶋明神事には、「筑前の鹿の嶋の明神、和州貸すが明神、此、鹿嶋、同磯良の変化也」とあります。和州貸すが明神とは、和州=大和、貸すが=春日です。磯良は安曇一族の祖です。八幡愚童訓では、磯良は春日大社に祀られる天児屋根命と同神であるとしています。~海人族~ワタツミ
前回:木嶋坐天照御魂神社と日神の託宣:では、木嶋坐天照御魂神社と秦氏との関係を示唆しました。このブログを書き進めるにつれて、当時最先端の文化技術を持っていた秦氏こそが海神族=安曇族でそのリーダーがウツシコオであることが分かってきました。
対馬もその安曇族=秦氏の拠点地だったのです。亀朴(きぼく)、太占(ふとまに)といった儀式も当時は、最先端の技術だったと思われます。亀朴や太占を行っていた人達は、少なくとも文字の読み書きは達者だったほずです。
ウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)をリーダーとする一族は、近畿に入り、三島(茨木市)、ヤマト:高槻市、枚方市、交野市に拠点を移します。そこが邪馬台国です。~第430話:倭(やまと)は高槻市、葛城は交野市
6世紀より対馬は伊勢・壱岐とともに卜部を輩出する国となったのは、かつてウツシコオと行動を共にしていた一族が、中央への進出をはかり、そのために、自らを有利に売り込むために卜部(うらべ)、中臣(なかとみ)、などの系譜を作りあげたと思われます。
伊吉島造家の伊岐氏(伊岐直)の一族は、神功皇后の四太夫の一人で、天児屋根命12世の孫にあたる雷大臣命の子である真根子命を伊岐直の祖とする系図や、壱岐卜部氏の氏人である是雄の賜姓記事(伊伎宿祢姓)において先祖を雷大臣*とするとの記載にしており、中臣氏族とする一方で、中臣氏族とする系図は仮冒で、高皇産霊神*の後裔月神命の子孫である壱岐県主の一族ともしています。
*雷大臣命の雷はイカズチ=イカで中臣の烏賊津と同一人物です。*中臣烏賊津~中臣氏~中臣烏賊津
*高皇産霊はタカミムスビ=高木神=ウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)です。
秦氏本系帳に見える欽明天皇朝の「卜部伊吉若日子」や、貞観5年(863年)に卜部宿禰から伊伎宿禰に改姓した、是雄・業孝がいます。
対馬厳原の椎根浦には、三島系神社の神紋に使われている桐の名を負った方々が今でも住んでおられます。上代から古代まで、畿内の大和朝廷から瀬戸内海、関門海峡を通って宗像の地の沖から世界遺産の沖ノ島、対馬を経て朝鮮半島に至る海路は「海北道中」と呼ばれ文化交流、交易上重要なものでした。三島(大阪府茨木市)とは、時代を超えた交流があったのです。
卜部氏の出現は6世紀です。元々は秦氏と同族だった者たちが、ウツシコオ・台与(豊)の時代=邪馬台国(3~4世紀)の時代から、200年経ち、伊豆、壱岐、津島にいた一族は
系統が異なる氏族となり、卜部、忌部、中臣となり大和朝廷で神事を司る部族になっていったと思われます。伊豆の地にが三島があるのも、当然、摂津(大阪府茨木)の三島から移住した一族がいたからです。
※これまでの記事はこちらです。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
<目次>
角刺神社(葛城市忍海)~古代葛城氏ゆかりの地で地域に信仰される飯豊女王の伝承地 - 摂津三島からの古代史探訪
八坂入媛命(やさかいりびめのみこと、生没年不詳)は、景行天皇の皇后。古事記には八尺之入日売命(やさかのいりひめのみこと)とある。父は八坂入彦命(崇神天皇の皇子)で、母は未詳。成務天皇・五百城入彦皇子ら七男六女の母。
<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇
◎hidemaru3375.com/post/ヒコユキからウツシコオへの過程