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坂上田村麻呂(2):東北での長谷信仰

  • tootake
  • 10月20日
  • 読了時間: 6分

更新日:11月2日


第841話


東北には、坂上田村麻呂を祭神とする田村神社がいくつか在ります。


・岩手県一関市にある 田村神社は一関八幡神社(岩手県一関市釣山)の相殿に祀られているいます。さらに釣山公園にも田村家邸内から遷座した田村神社もあります。

宮城県白石市斎川にある田村神社も地元の伝承に基づき坂上田村麻呂を祀っています。

・秋田県秋田市寺内では、古四王神社*の境内社として田村神社が存在します。

 *古四王神社の祭神は武甕槌命(タケミカヅチ)と大毘古命(おおひこのみこと)

  です。武甕槌命(タケミカヅチ)と大毘古命(大彦)は台与です。

  ~第441話:タケミカヅチは台与!! 第454話:大彦は台与!??

・福島県郡山市田村町山中の 田村神社では、地名「田村町」にも坂上田村麻呂の影響が見られます。


その他、坂上田村麻呂を祭神とする神社は関東各地にあります。

坂上田村麻呂は平安時代初期の武人で、蝦夷征伐や薬子の変などで活躍し、征夷大将軍として名を馳せました。その武勇と忠誠から、死後に神格化され、特に厄除け・交通安全の神として信仰されるようになりました。


箱根神社は、古来、関東総鎮守箱根大権現と尊崇されてきた名社で、平安時代の延暦20年(801)、征夷大将軍の坂上田村麻呂は蝦夷征討の際に参詣して表矢を奉献したとされています。前回:坂上田村麻呂:田村神社では、田村神社は現在も「厄除け」「交通安全」の神として信仰されており、道の神としての側面を述べました。

しかし箱根神社では、竜神伝説があります。竜神とは、河川の氾濫のことで、台与とウツシコオは、各地で河川の改修工事を行ってきました。それが竜神伝説となったのです。

そして、長谷信仰と坂上田村麻呂が関係しているようです。


長谷信仰は東北の神社・寺院と深い関係があります。特に「三迫の新長谷寺」や「奥州七観音」など、坂上田村麻呂の伝説と結びついた霊場群が長谷観音信仰の広がりを示しています。長谷信仰の長谷とは 第666話:元伊勢(13)~長谷寺・與喜天満宮で書いた西国三十三番札所の長谷寺 のことです。長谷寺霊験記(鎌倉前期)などにより、病気平癒・子授け・戦勝祈願などの霊験譚が広まり、全国に信仰が波及しました。坂上田村麻呂が長谷観音に参籠し、葦毛の霊馬を授かるという有名な伝説があります。


🗾東北における長谷信仰の展開

  • 三迫の新長谷寺(宮城県栗原市)は、坂上田村麻呂が霊馬を埋葬した地に建立されたとされる寺院で、長谷観音の化身とされる十一面観音を祀っています。

  • 奥州七観音は、福島・宮城・岩手・青森に分布する観音霊場群で、田村語り*や奥浄瑠璃と密接に関係しています。*田村語り(たむらがたり)は、社寺縁起・伝説・説話・物語などにみえる架空の人物「坂上田村丸」をめぐる言説で、東北では達谷西光寺の縁起や達谷窟毘沙門堂並びに姫待が瀧などを起源としています。

  • 田村麻呂が毘沙門天の化身として、奥州六箇寺に分身して同時供養したという伝承もあり、長谷信仰と征夷伝説が融合しています。


三迫の地は、坂上田村麻呂の軍事・宗教活動の象徴的地点であり、長谷観音の霊力が東北征夷に寄与したとされます。陸奥三迫とは、奥州の地名で、特に三迫川およびその本流迫川の流域を指します。現在の宮城県北部に位置し、主に栗原市と登米市の一部にまたがる地域です。具体的には、栗駒町・金成町・若柳町・石越町・中田町などが三迫に比定されます。


陸奥三迫では長谷信仰を各地に伝えた勧進聖たちによって長谷寺霊験譚長谷寺霊験記のなかで長谷観音(十一面観音)と東北各地の田村麻呂の事蹟を結び付ける形で「田村将軍得馬勝軍建立新長谷寺事」が創出されました。


※宮城県栗原市栗駒桜田山神下にある櫻田山神社(山神社)の祭神は武烈天皇です。


奈良県の長谷寺の近くに、桜井市出雲にある十二柱神社は、武烈天皇泊瀬列城宮跡といわれています。第666話:長谷寺では、泊瀬(はせ)の地を補陀落山に見立て、小泊瀬の険しい崖に懸崖造りのお堂を建て、自然湧出に見立てた盤石に観音を安置しています。「磐石に立つ」ことが長谷観音にとっては大きな意味があるのです。磐座神社の磐座(いわくら)とは、古代より神として信仰されている巨大な岩のことです。磐(岩)は台与のキーワードです。~磐衝別命と健磐龍命 第666話:元伊勢(13)~長谷寺・與喜天満宮


・武烈天皇は「しきりに多くの悪行をなさって、一つも善業を行われなかった。さまざな酷刑をご覧にならないことはなく、国内の人民は、みな震え怖れていた。」と言われていように悪名高き武烈天皇ですが、この出雲=泊瀬(初瀬、長谷)と関係があることから、武烈天皇も台与を意識して創作された人物だと思われます。


各地にある坂上田村麻呂を祭神とする田村神社の伝説は、本当は台与の伝説だったというのが、私の考えです。


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<蛇足の追記>

・三迫の地は、坂上田村麻呂の軍事・宗教活動の象徴的地点であり、長谷観音の霊力が東北征夷に寄与したとされます。陸奥三迫とは、奥州の地名で、特に三迫川(さんはさまがわ)およびその本流迫川の流域を指します。この川の周辺にもいくつかの神社*があることから、台与とウツシコオのコンビが三迫川(さんはさまがわ)の河川工事を行ったと思われます。*三吉神社、八幡神社、駒形根神社(勅宣日宮)などです。すべての神社は、台与とウツシコオを祀っているです。


・宮城県栗原市栗駒桜田山神下にある櫻田山神社(山神社)は、お笑いタレントある狩野英孝の実家としても知られており、彼の持ちネタである「ラーメン、つけメン、僕イケメン」に因み「イケメン神社」とも呼ばれています。


これまでの記事はこちらです。


※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。

※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。

 ~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。

記紀の登場人物をスサノオ(津田の王ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。

※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。

神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、

アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)

聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)

※台与(豊)は魏志倭人伝に書かれいる13歳で邪馬台国の大王(天皇)に即位した人物のことです。

※ウツシコオは魏志倭人伝に書かれている難升米のことです。

・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。 


<目次>



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tootake
10月19日
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